愛国心と敵対心の狭間で

 愛国心には敵対心が常に伴う

 愛国心の記事を書いたら、いいねをもらってしまい辟易としている。ついついWPに釣られて、書いてしまったがばかりにつまらないことになってしまった。

 ロシアではまたFSBによる自作「反戦テロ」が起きたという。愛国心に訴えつつも、不安を拡散して支配体制を強化する古典的な独裁・専制政治の手法だ。
 帝政日本も自作自演の事件事故を繰り返していた。不安は国民の政治に対する消極性を生み、不安の根源は敵だと吹聴すれば、敵と戦うことは愛国だと宣伝される。もちろん国際社会にはそんな幼稚な策動は通用しない。
 政治的消極性と愛国的敵対心によって盲目な国民、盲目な兵士を生産する。それが富国強兵システムの現実だ。

 FSBは、SNSテレグラムの熱烈で強弁な戦争支持者として知られた人物とその取り巻きをワグネル代表のプリゴジン所有の店で爆死させたという。
 クレムリンによるプリゴジンに対するメッセージでもあるのだろう。熱烈な戦争支持者は、当然敗戦に対しても辛辣で邪魔になる。プーチン・クレムリンが求めているのは戦争支持者ではなく、プーチンの支持者≒命令通りに働く木偶人形だ。木偶で戦争には勝てるわけないけどね。帝政日本も同じだね。

 ロシア国内の情報ではロシアは優勢で勝利しているはずだが、実際はまったく前進していない。数メートルの前進のために、ウクライナ軍の被害も初期の義勇兵を含む多くの兵士が亡くなっているが、ロシア軍はその云十倍以上を失っている。
 2022年の時点で海外へ逃亡していたロシア人は、ウクライナ側義勇兵として参加し始めている。同じタイミングでNATO諸国の戦車、戦闘機まで提供されるに至り、パキスタンやモロッコといったイスラム圏の武器も入ってきている。

 まさに、ロシア、中国、インド、日本以外の武器は間接的にであってもウクライナに集まりつつある。
 日本の自衛隊装備車両は廃棄契約先からロシアへ転売されているというから、「ロシア、中国、インド、日本以外」と言わざる得ない。元自衛隊装備品は中古車と同様にロシア軍が購入して利用している。
 それが愛国心をよく騙る自民党政府の放置国家である。
 岸田政権が少子化対策で支持率が回復したというが、ばらまきを国民が支持するということは、社会はもう末期であり、国民の精神性が発展途上国以下に落ちたということだろう。
 確かに「綺麗事では飯は食えない」というからね。実際には綺麗事を蝕んでいる悪人が私腹を肥やしているからで、日本は法治国家ではなく放置国家、法治が利権者に届かないように調整している国だから綺麗事が抹殺されて、汚職が栄えるようになっている。
 政治はもちろん、宗教も企業も、学校法人なんかは巣窟だ。
 日本国民はそんな政党を上辺だけで評価するので、結局は生活が苦しくなり、結果的にばらまきに依存する。各分野の利権者に二重三重の生活経費を支払うのだから、そりゃ貧しくもなる。
 与党も野党も職業政治家なので国民の水準が下がれば、政治の水準も下がり続ける。
 国民は少子化対策云々ではなく、生活費を恵んで欲しいのだろう。
 その発想はロシア国民と同じだ。生活費が欲しくて兵士になり、碌な装備もなく死んでいく。
 貧しく馬鹿な国民はどこでも同じ。国をより貧しくさせて、結果的に子供達は死んでいく。息苦しい社会、より生き苦しい国家を選択している。

 自民党の少子化対策は長続きしない。単純な対処療法だから、子供が増えるということもないだろう。
 子供を増やせる世帯は出るかもしれない。結局「種の多様性」という側面から見れば、多様な人が一人でも子供を持とうと思える社会にはならないから、限られた世帯・家庭で少し家族が増えるだけ。抜本的な社会改革にはならない。

 そしてプーチン戦争によって、世界経済の疲弊は続き、リベラルな西側が消えて、排他主義的な極右・極左の政権が増えれば、貿易で延命している日本経済は圧迫されるだろう。

「愛国心はあるけど敵対心はないよ」
 そういう人はネットで探せばいくらでもいる。
 もし愛があるのなら、愛を邪魔するものを嫌悪するはずだ。それを某高市氏のように無視とか差別で表現するのか、某宗男氏や某水脈氏のように口撃・恫喝、ともすれば暴力によって表現するかの違いでしかない。
 私は植物が好きだから、植物を阻害する害虫とはよく戦うし、鉢植えに生える雑草とも戦う。
 大事にしている植物が枯れれば悲しいし、それがちょっと値が張るものだったりした時はちょっと喪失感があるよね。今はもう植物を買わなくなったから、金が掛かっていないと欲目も減って、もっと自然に好きでいられる。今でも花屋の珍しい植物には欲目がくすぐられるけどね。
 結果的に大事している≒区別しているものがある時点で、それを阻害する邪魔ものとは戦うことになるよ。無視したりする、今風に言えばブロックするというのも、戦い方の一つだ。
 ブロックは敵対心ではないと言い訳するのは簡単だけどね。
 それは敵対心と呼べるほどの強い感情ではなくても、意図的に馬鹿にされたりして、逃げ道のない悪意に覆われた時は闘うことになる。反対に戦わないとすれば、悪意に降伏することになる。愛国心は降伏を許さないだろう。例えば、自殺は降伏だ。
 もしも、戦う気がないのなら愛国心という言葉は使わないほうがいい。
 私は戦うかもしれないが、愛国心は便利な道具としてプロパガンダ以外では使わない。
 だから、「私は愛国者」などと馬鹿みたいに言っている人は敵以外の何者でもないのです。

 戦争は早く終わるに越したことはないが、が勝利して終わるのなら、仮に長引いても正義が勝つまで戦い続けるべきだ。
 確かに「正義を振り回す悪」の話もある。
 例えば、イラクのクウェート侵略をきっかけにした父ブッシュの1991年の湾岸戦争には一応の大義があった。今の対プーチン制裁と同じ、サダム・フセインの武力による国境変更に対する制裁戦争だった。
 そして、2001年の911テロを挟んで、2003年の子ブッシュがイラクに仕掛けた戦争は、大義名分に乏しい子ブッシュ・共和党の戦争欲によって行われた「白人の侵略戦争」と非難されても仕方のない暴挙だった。
 その後の習、プーチンなどの独裁者達は、子ブッシュの論法を借りて世界中で戦争をするようになった。
 子ブッシュはやたらと正義という言葉を振り回したが、その内容は虚偽ばかりで真実に乏しかった。
 ただし、元イラク大統領サダム・フセインを最終的に殺害したのはイラク人であり、イラク人がフセイン政権の圧政に苦しんでいたのも事実だ。フセイン支持者はもちろん豊かだったが、フセインに虐げられた人々がフセインを許さなかったという事実も動かせない。

 こうして何が正義かが分からなくなる人は多い。しかし、現在は明確な定義がある。とても単純だ。

 武力による国境変更をしてはならない
 軍隊は国際法に則った条約や国連活動以外で国境を越えるべきでない

 こうしてみるとアメリカもかなりグレー(黒かもな)だが、中国やロシアの国境変更の試みは顕著だ。
 プーチンはジョージア、モルドバ、ウクライナに対して行い、チェチェンの独立運動を武力鎮圧するなど、軍事力によって国境変更を試み、その軍事力によって支配地域を抑え込んでいる状態が続いている。
 中国は南沙・スプラトリー諸島を占領し、台湾の中華民国を認めさせないという方法≒Chinese Taipei(中華台北)という呼称によって独立性を曖昧にさせている。
 当然に日本人なら知っているだろうが、台湾は独立国家 中華民国の領土である。それこそソ連のエージェントである毛沢東たちに中国本土を奪われたのである。

 明確な正義の定義に対して虚虚実実が邪魔をしている。
 それで分からなくなる人は、法律、国際法、条約などを勉強するといい。そして自由、人権、平等という現代社会の基礎理念について、中国やロシアのような曲解ではない正しい理解に努めればいい。
 正しい理解とはとてもシンプルで、殺人、泥棒、詐欺、暴力はいけないという、最も単純な現代社会の基本。
 しかし、そういった理解は教育の賜物であり、中国やロシアのような国策による歪んだ教育が浸透した国では、愛国心による殺人、泥棒、詐欺、暴力、密告、闇討ちなんでもありになる。
 そういった陰謀教育を受ければ、アメリカ人やブラジル人が世界に示したように、悪意で政府施設を襲うのもありになる。

 反対にジョージアのようにロシアのエージェントとの共生を強いられながらも議事堂を包囲して、悪意の台頭をぎりぎりで抑えた国もある。
 ジョージア人は国会を包囲したが襲ってはいない。侵入してロシアのエージェントを殺そうとしたわけでもない。極めて理知的な反対運動を行っていた。
 あたかも「狂った様に叫び、放水を受けているきちがい」の様に見えた人もいたのかもしれないが、侵入はしていないし、死者も出ていない。とても制御された反ロシアデモだった。
 ところが、FSBが自演すると「反戦テロ」となり、必ず殺人事件になる。ロシア国民が本当に武器を持っていたなら、SNSのインフルエンサーより、プーチンかせめて統一ロシアの政治家を狙うだろう。

 日本人でさえ、統一教会の幹部に近づけなかった結果、安倍晋三をターゲットにした。一般の文科省職員や信者を襲ったりする愚行はしなかった。
 猫だか犬だかの敵討ちで厚労省の人を殺害した馬鹿とは、似て非なる事件だった。
 一般人を狙うのは「誰でもよかった」とか「死刑になりたかった」とか言い出す馬鹿の中の馬鹿だけだ。だからFSBも一般人を殺して「反戦テロ」を演出するが、全て丸見えで恥ずかしいほどの馬鹿の中の馬鹿だ。

 長々と書いたが、全てが愛国心と敵対心の狭間という狭い価値観で行われている。だから馬鹿で視野が狭い人、例えば老化が進んだ高齢者や無知な若者なんていうのがはまりやすい。
 それはまるでアニメやゲームのように創作上の設定があり、設定さえ解れば、誰でも遊べるリコエイションゲームのようなものだ。
 プロパガンダパート(ストーリー)とオペレーションパート(バトル)に分かれていて、プロパガンダや洗脳教育で有利な条件を作り、破壊工作や特別軍事作戦で領土を広げていく。そして結果が先に決まっている住民投票→傀儡国家独立→併合、成功したら次を狙う。
 ねじれたゲームのようなちっぽけな世界観。老化した脳や馬鹿無知の脳を満足させるぐらいのゲーム性はある。
 でも、ゲームだと舐めてはいけない。世界をゲームのように支配したがる連中は世界中にごまんといる。その中で実際に独裁者になっちまうのは極少数だが、連れしょんと同じでくっついてくる奴、くっつきたがる奴、イヤだけどイヤだといえない奴が塊になって、気付けば統一ロシアとその支持者という巨大な塊になっている。
 さらに中国の塊、イラン、シリア、ミャンマー、南米にもアフリカにも、いやいやアメリカの共和党やヨーロッパの極右・極左も大して変わらない。

 そんな中でも最も怠惰な塊が日本の自民党で、利権だけもらえば、支配より放置を好む。メルトダウンしたって原発利権を放置して置けば、挑戦や改革を面倒臭がる保守国民の方から原発は必要だって信じるようになる。
 そんな社会だから戦争の勝敗よりも早く終われと叫び出す夜盗野党まで出てくる。悪に妥協してよしの野党なんか、悪の与党にも増して最悪だろう。だから救いのない日本社会で少子化脱却は不可能なんだ。
 岸田云々というより、野党が自民党よりひどい悪だから。それでも政権交代させたいが、どうすりゃいいんだ。馬鹿ばかりの政治家でどの馬鹿を選べばマシなんだ?
 そんな無理ゲーよりも、確かにプーチンゲームの方が楽しめる人が多いかもしれない。

ロシアでプレイする?
ウクライナでプレイする?
アメリカやイギリスでプレイする?
中国やインドでプレイする?

 マニアはやっぱりジョージアや台湾あたりでプレイするのがヒリヒリして楽しいかもね。

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