春の台風

　残念なことに春の台風を隠れ蓑にして、庭の鉢が盗まれたというか割られて中身だけ奪われた。防犯カメラはそれを捉えていたが、余程欲しかったのだろう。
　ある意味で特殊な仕立てにしてきたものなので、私の仕立てが評価されたとちょっと誇らしい気分もある。
　泥棒は許せないし殺したいが、武士の時代と違って殺すわけにもいかない。殺せないなら仕立てを評価してくれたと自分を慰めることにする。殺せる世になったら大人の泥棒は殺すんだけどね。

　実もならず、挿木でしか増やせない植物なので、挿木苗でいいので返してくれたら、新しい仕立てで見せびらかそう。
　そして、次の盗っ人に評価してもらおう。

　さて、町を散歩している老人の半分は泥棒だ。みなさん、気をつけて！
　盗まれるのはランドクルーザーだけではないよ。
　老人は昭和の生き残りだ。私もだけど、不正と妥協してきた昭和生まれを信じるのはやめたほうがいい！

人の世にぬすみのない日はあったのか春の嵐に痕跡消して