年末もミカン

 新聞紙で作ったカラス型「朝刊」は結局大した効果を発揮しなかった。いや、最初は効果があったと思う。本当に最初だけは効果があったんだと思うけど、最初だけだった。

 鳥に突かれたミカンは切りとって梅の枝に刺した。ヒヨドリは皮ごと喰らう。メジロは中身を綺麗に食べて皮だけにする。皮だけになったら乾燥が進んで、皮が萎縮するのでミカンの根本に放って土に戻す。

 うちのミカンを全て収穫した頃に、隣家から自家製の柚子をもらう。昨年は豊作だったということで大量にもらい、老母に任せておいたが処理しきれずに多くを腐らせた。
 その反省を受けて今年は早速に自分で実験メニューにチャレンジする。

 先ずはうちのミカンと隣の柚子を茹でこぼす。茹でこぼすので当然茹で汁は捨てるが、柑橘類の皮エキスは油汚れを落すのにいい。時節柄年末の流し掃除に使ってみる。全体に撒くように流すといい。香りもいいし・・・

Boiled

 茹でた柑橘の粗熱を取ったら、果皮と果肉を分けて、果皮を刻み、果肉は最終的に絞って果汁を使いたい。

Peel and pulp

 鍋に皮と水、砂糖、果汁も加えて煮詰めていく。お好みでラム酒などを加える。知らぬ間に煮詰まっちゃって焦がしたりないように。シロップやジャムを作る気持ちで・・・

Boiled down

 途中で灰汁を取らずに煮詰める。水分がほぼ無くなったら、クッキングシートに取り上げて、そのまま乾燥させる。

Dried on Parchment paper

 基本的にはCitrus Peel の作り方に準じている。が、実験なので何度も茹でこぼして苦味を取るということもないし、果皮の内側の白いわたを取るなんて事もしていない。果汁を加えるのは、あまり他のレシピサイトで見なかった。砂糖を加えるなら果汁でもいいだろって判断で加えたんだけど・・・
 今回はあくまで実験なので蜜柑二個、柚子二個だけ。砂糖も計量していない。煮こぼしも一度だけ。
 この記事を書いてる段階の乾燥途中のものをつまんだら、苦いし酸っぱい。砂糖を後から振りかければ、甘さは足せるだろう。山椒のようなぴりぴりした苦味が嫌いな人は、3回ぐらい煮こぼす一般的な作り方がいいのかも。
 煮こぼしが一度だけだと、同じ柑橘系でも山椒のような苦味が強い感じもする。そこで果汁が重要。砂糖にはない果汁の香りや酸味などが、皮の苦味と砂糖の甘味の隙間をうまく埋めてつないでくれるはず。だから途中で灰汁も取らないで欲しい。全ては風味のため!
 苦いのに、苦味だけが独立せずに柑橘の様々な風味が一体化する酸っぱいピール。
 もう少し作り方を研究してみたいね。自家製果実だから、添加物もない。だからこそ、皮まで食べてみたい。
 煮こぼし一度、果汁付き。だからまとまる柑橘の世界。

こたつぬくぬく きいろいたまはいいかをり
煮ても柚子 刻んでも柚子 大晦日

EAFF E-1FC2019 なでしこ 韓国に勝つ

 なでしこがE-1最終戦で韓国に勝利し優勝を決めた。男子も韓国戦に勝てばアベック優勝となる。そういえば、アベックって最近は使われないね・・・・・

 真綿で首を絞められているような、見ているのが苦しくなる試合だったが、内容的にもなかなか引き締まった面白い試合だった。
 韓国女子もアジア屈指の良いチームだが、得点へのビジョンが見えてこないチームで、良い試合はできるが得点そのものは少ないチームだ。体格的に大きい中国女子のフィジカルの強さとは違い、当たりが強い。中国男子の飛踢至鵬ほどではないが、危険ぎりぎりで競り合う様は五輪に向けて試合の少ない日本にとって貴重な本気勝負になったはずだ。
 岩淵、長谷川が負傷欠場と報じられたが、もしかしたら危険回避という側面もあったかもしれない。E-1はそこまで重要な大会とはいえない。あくまで出場機会、代表定着を求める当落線上の選手にとってのアピールの場。選手層を厚くするという性格が強い。

 DFで言えば三宅。一度代表に定着したかに思えたが、いまいちぱっとせず、判断の甘さか視野の狭さか不安定感が拭えないまま、WCでは主戦から外れていた。反対にレギュラー化したのは南で、本職DFとして最も安定したプレーを見せてきた。
 この日の三宅はかなり見違えた感じ。視野も広く見えている感じがした。南とのコンビネーションも良く、韓国の速い攻撃にも冷静に体を入れて防ぎ、体を投げ出した「後の次」にも意識をつないでいるような、繊細さを垣間見せていた。
 宮川はサイドを変えて右SBで出場。激しい当たりへの弱さがあるのではないか・・・と勝手な杞憂があったが、この試合では運動量で広い範囲をカバーしていた。一方で攻撃ではあまり効果的な参加はできなかった。清水だったら、ロングクロスがあったかもなぁと思っちゃったな。

 逆の左SBは再び遠藤純。中島と遠藤が同じサイドにいるので、攻撃面での何かしらを期待したけど、相乗効果はなかった。左SB限定で考えるなら中島の方がロングフィードを期待できたかもしれない。中島も遠藤も能力が高く器用なだけに便利に使われるが、基本は右に中島、左に遠藤でゴールに近い位置でカットインというのが一番なんだろう。ま、万が一の時に他のポジションを経験しとけってことなのかな・・・

 今回はFWというか攻撃陣の方が抱える問題が深刻なんだと知れた。やはり田中美南を活かせない。代表で田中を使うならワントップがいいのかもしれないね。国内リーグと違って、前を向くことすらほとんどできず、そもそもチャンスも少なかった。球の供給が少なすぎた。田中任せで無茶振りで単純に放り込んでくれれば、何かが起きたかもしれない。
 籾木も中島も杉田も三浦も、遠藤も宮川も、誰も田中や池尻目掛けて放り込んでくれなかった。
 惜しいチャンスはあったにはあったが、そもそも惜しくないチャンスが全く作れなかった。ミドルシュートも無いので韓国DFを釣り出す事もできず、ただただ3、4人に囲まれて潰れる田中を見殺してしまった。
 シュートはゴールを狙っているという最も強いメッセージだ。「猪が出たら危険だぞ」というのと同じ。「ゴールを狙われている危険だぞ」というメッセージを相手に届ける最もわかりやすい方法だ。
 ドリブル突破も強いメッセージ性があるが、岩渕、長谷川がいなくなるとそのメッセージは消える。
 遠藤が左サイドを切り裂いてくれたら、中島が右サイドを切り裂いてくれたらと妄想しても、今日はそこにいなかった。
 今日の布陣は、あまりいいセカンドプランではなかった。韓国が人数をかけて中央を閉めているので籾木も何もできなかった。彼女は無理なシュートを撃たない性格らしく、全く怖さがない。シュートを撃たないとわかっている選手は怖くない。
 結果的に田中、池尻だけがマークされ、田中にスペースを作る動きもないので、杉田、三浦が雪崩れ込む隙間も無かった。

 あ、これってWCのアルゼンチン戦だね。アルゼンチンは韓国よりも徹底して中央を飽和封鎖してたな。守備のスタイルはアルゼンチンを見ているようだった。韓国は大きく成長したなぁと思う。あとは得点のビジョンだけだね。

 というわけで、日本は現代強豪チームがよくよく陥るショートパス病に罹ってしまい、得点の苦しみを味わうことになった。
 結局、小林、上野が出てきて少し強引にシュートを撃ち始めてやっと攻撃の形が生まれた。籾木のPKも中央で強引にシュートを撃ったことでハンドを誘ったわけで、シュートは枠にさえ収まっていれば、直接入らなくても得点を生むという典型例だった。

 最近の なでしことしては、久しぶりにシュートの少ない試合だった。中島さんは左だと全然シュートが撃てなくなる。やはり右がいいね。
 遠藤純も前線近くでドリブルさせた方が活きる。
 籾木はシュートを撃たないからダメだな。あのWC オランダ戦途中出場で一人狂ったように撃ちまくった籾木は何処に行ったんだ・・・・・
 そうして皆がシュートなりをもっと撃っていれば、前線には田中が詰めているんだから、可能性はあっただろうなぁ・・・・・

 結果的に三宅・南・山下が守っただけの試合だった。田中美南がフィットしないというだけの試合で終わってしまったな。
 勝ったんだけど、シュートらしいシュートが撃てない韓国相手に、アルゼンチン戦を再現してしまいそうだったよ・・・・・

赤い壁 火計をもって攻め立てよ 火矢のかわりにシュートを放ち
得点のコースは目に映らない 見えるコースは敵にも見える
なでしこの咲けぬ苦悶や 霜きらり