同類相憐れむ という言葉があるが、現代は 同類相食む とでもいう時代かも知れぬ。骨肉相食む は普遍的人類史あるある。同類相食む というのは利益相反が過ぎて争っている感じかな。お互いに協力することなく共同繁栄を蹴って、互恵関係になれない状態とでもいうのか・・・
例えば安倍晋三時代の日韓関係や、ナゴルノ・カラバフ問題で対立してきたアルメニア×アゼルバイジャンの関係がそれだ。
前者は、朝鮮三国時代の百済復興戦争や元寇時代の高麗、反対に倭寇や豊臣軍による倭乱や1910年の帝政日本の日韓併合、そしてそれら事件の間を繋ぐ圧倒的に長い友好期間など、対立で失うものよりは友好で相互繁栄してきた期間の方が長い関係性でありながら、しばしば無駄に極勢力の扇動で対立してしまう関係でもある。
日本の安倍政権は極右傾向が強く、対して韓国で朴政権が弾劾されると極左傾向の強い文政権と対立した。
その後の2022年のロシア戦争や中共の太平洋侵出もあり、岸田政権-尹政権間で対立は沈静化した。韓台日の東アジア民主主義三国の連帯感も回復した。
さて、後者はかつてのペルシャ帝国やオスマン帝国とキリスト教文化圏(ビザンチン文化圏)との境界線でもあり、キリスト教徒の多いアルメニア人国家と、イスラム教徒の多いアゼルバイジャン人国家の対立でもある。
1783年以降ロシア帝国に支配されてきたコーカサス地方は、ロシア革命期に一時独立するも、1920年以降にソ連赤軍が再侵略してきたことでソビエト連邦に組み敷かれた。
ロシア人による武力の箍が外れると、再び民族主義・宗教対立・土地問題という導火線に各極勢力が火をつけ、瞬く間に戦争となった。
民族とはいってもコーカサスはアジアとヨーロッパの交差点、人類街道とでも言うべき人種の坩堝であり、言語や宗教に違いはあっても生活レベルでの大きな違いはない。豊かな地域とは言えず、困れば助け合うしかない。
連邦化して助け合えば、相互に繁栄できるのに、寸土を争い対立を続けるので貧しいままだ。支配者・収奪者であるペルシャ・トルコ・ロシアから独立しても狭いコーカサス内で争っていては繁栄はない。相手を絶滅させられるほどの軍事力もないのに、無駄に殺人を繰り返すような対立を続けてきたのだ。
動機が民族意識か、宗教教義か、単なる土地問題なのかはどうでもいいことだ。獣も付き合わない無駄な争いをする初期型人類とでも言うべきだろうか?
イスラエルとパレスチナのように、ヨーロッパでのナチス戦争(第二次世界大戦)の余波で、1947年パレスチナ人の土地にヨーロッパ系ユダヤ人が侵入を始め、それを欧米主導の国連が独善的に認めたことが原因の侵略戦争とは全く異なる。
多少の前後はあっても、現代から見れば古くからコーカサス地方に住む者同士の不毛な争い、それがナゴルノ・カラバフ戦争である。
ジョージア・アルメニア・アゼルバイジャンが対立せずに互恵同盟を為せたら、同じ自然や文化を共有する魅力的な地域になるだろう。未だ自然も多くアジアにもヨーロッパに通じるメソポタミア文化北辺の魅力を世界に発信できるだろう。三カ国が共同すれば、2022年からの戦争で弱体化するロシアも安易に侵入できない・・・どころか追い払えるだろう。
様々な可能性を無視して争うとすれば、もう人間でも獣でもない。ただの馬鹿だ。馬鹿というのは馬でも鹿でも人でもないから馬鹿なのだ。
愚かゆえの哀れ。しかし、相憐れむことなく相食むのが現代風だ。
ウクライナの親イスラエル外交も、やはりウクライナがまだ元ソ連国家の域を脱していない証左だろう。アイアンドームという防空システムが欲しいのはわかるが・・・ どうせもらえない。
駐日大使コルスンスキー氏もソ連人の域を出ていなかった。彼らの事を理解したくもないが、ロシアの暴走を止める為にそれでもウクライナ支援はもうしばらく続けなければならない。
ヨーロッパ-ロシア間のガスパイプライン・ノルドストリーム破壊やロシア極右思想家ドゥーギン娘爆殺もウクライナ側の策動だったと指摘され始めた。西側の沈黙期間が終わったということだ。
どこまでが事実かは別として、結局どの犯行もウクライナに利さないし、不要だったと思う。むしろ、今のウクライナが「さすがロシアの兄弟で同じことをしている」と思われるだけだ。
ソ連邦の主要国であったウクライナは、規模の差はあれロシアにできることなら、ウクライナにもできる。そんなことは分かっていたことで、それでも全てロシアの責任として西側は戦わざる得なかった。
しかし、ウクライナの価値が相対的に下がりつつあり、高尚な民主主義者の戦いから、瑣末なヨーロッパの地域戦争に下がりつつある。
パレスチナ問題は西欧が主導したイスラエル建国の結果そのものであり、「欧米の侵略戦争をイスラエルが代行している」とリベラルな現代人には見えている。
新陳代謝の遅い各国政治閥の反応の鈍さがコロナ・戦争経済の中で浮き彫りになってきている。
本来ならパレスチナを「相憐れむ」べきだったウクライナは、せめてロシア哲学の体現者であるネタニヤフ政権とは距離を取るべきだった。
ホロコースト後もヨーロッパに残ったユダヤ人と共に、イスラエルの侵略戦争とは距離を取るべきだったが、ウクライナの価値は領土防衛とは程遠い侵略者擁護という最悪の状況になってしまった。
世界の反プーチンは変わらないとしても、親ウクライナ志向は消極化し、ヨーロッパの地域紛争として情報が埋もれつつある。「支援疲れ」をウクライナへの疑義として正当化できるようになってしまった。
もともと欧米先進国ぐらいしか軍事支援はできないが、米国の支援さえも先細りか終了が予見されるまでに追い詰められている。少なくとも民主党政権は余程まともな候補者が出てこなければ選挙で敗北するだろう。
精一杯前向きに考えても、ウクライナ支援の予算に上限が定められ、ロシアはそれを見て計画的に戦争を続行できるかもしれない。ロシア国内の反乱が起きない限りロシアは戦争を10年続けるだろう。
本来ロシアとイスラエルは同じことをしているにも関わらず、ロシアを批判し、イスラエルを支持する米国のダブルスタンダードは先進国の中でも次第に孤立していくだろう。
米国内でも一般市民と政治家の価値観の乖離は加速しており、民主党政権は誰の意見の代表でもなくなってきている。ユダヤ系ロビーストの背景にどの程度の票があるのか不明だが、ウクライナ系ロビーストの票は取るに足りないというのが 共和党の計算らしい。
ヨーロッパで個人宅にイスラエル旗の青い六芒星をペイントするヘイト行為が繰り返されたが、ロシア人による策動だったことが明らかにされた。
当初はネオナチなどの可能性も考えられていたが、欧州各国は慎重に捜査していたようだ。ロシアによる西側の社会対立、社会分断が目的の嫌がらせだったようだ。
フランスは国連総会でいち早く米国と距離を取り、停戦に賛成していた。ドイツは歴史的問題の都合でイスラエルを批判できず、イギリスはイスラエル建国の直接的原因を作った反省もあるのか、現ネタニヤフ政権に対しては冷淡だ。
日本は停戦決議に棄権するという失態で、岸田政権の支持率低下に拍車がかかった。米国の犬であることは避け得ないが、そこまで懐く必要はなかったと多くの国民は思っただろう。日本の立場は理解できるがそこに誇りや矜持を感じない、惰性メガネ岸田の評価の底が抜けた瞬間だった。
何かを支持する理由というのは人それぞれで、一つだけではないし、絶対値と相対値の兼ね合いでもある。
例えば、私の場合は独裁者は認めない。これは絶対値だ。どっちの陣営かではなく、独裁的な政治は許せない敵だと思っている。だから、国内では特に安倍政治は独裁的で民主主義を逆手に取る民主主義の敵だと思っていた。
全く同じで民主主義のフリをして独裁者となっている者は世界中にいる。プーチンが正に(不正の多い)選挙で選ばれた独裁者である。ネタニヤフもロシア的手法で敵対者を弾圧し続ける独裁者かつ国際法を無視し続けるテロリストでもある。
中共やミャンマー軍、サウード家やイランイスラム共和国など枚挙に暇がない。最近のフィリピンもヤバイ状況だ。
私は政治家ではないから、独裁者がどっちの陣営かではなく、独裁者であるという時点で敵である。
政治家や商人は敵か味方かを利益の分配率で決めるのだろうが、その結果が今の戦争時代だ。今あるあらゆる不愉快なことは、独裁者との妥協に応じて垂れ流された悪意である。
それは政治に限らない。ワンマン社長や閉鎖的芸能界など、あらゆる分野に影響している。価値観として人権を無視して独裁を許すという状況はウイルスのように人を汚染していくからだ。
長期的目標に資すると思われる短期的支持のために、相対的な価値観を重視する時もある。
ウクライナ支援は相対的価値観の結果だ。ロシアと比較してウクライナの方が民主的だった。プーチンは独裁者であり、侵略者だったし、ゼレンスキーは民主的で防衛者だった。
しかし、今明るみになってきているウクライナの破壊工作、暗殺対象などはただのテロリストで、ウクライナ防衛に資するとも思えない。とてもソ連的・KGB的・ロシア的な思考による妨害工作だった。
プーチンに近い閣僚や官僚、軍人ではなく、所詮は権限のない民間人暗殺だ。戦争という行為に直接関与できないレベルの人間の殺害にどんな意味があったのだろうか?
その意味を説明されても民主主義者にわからないだろう。それは無価値な死、無意味な破壊だった。
そしてハマスの奇襲攻撃が始まった。世界はそれを奇襲とかテロと呼ぶが、イスラエルが入植地・占領地を拡大し続けていることは世界中が知っていた。米国も知っており、バイデンはネタニヤフを嫌っていたといわれる。それでも選挙の為にユダヤ票を気にして一方的にイスラエルを支持した。
トランプはロシアに支持され、バイデンはイスラエルに支配されている。米国は本当に独立国なのだろうか?
そして、ウクライナもイスラエルを支持した。パレスチナ侵略を続けるイスラエル・ネタニヤフ政権を支持してしまった。
ハマスへの非難は仕方がないとしても、イスラエルを支持したらアウトだと思うんだよね。イスラエルの防空システム・アイアンドームが欲しいのだとしてもね。立場はわかるが、共感できる大義名分がない。
やはり、ウクライナはロシアの兄弟だよ。とりわけ古いウクライナ人はソ連人のままの価値観が拭えていない。そして何がソ連的で、何が民主的かの違いも分かっていない。
戦争をしているから仕方がないというなら、日本は戦争をしていないから仕方がない。知らない!
私はもう国家としてのウクライナを支持していない。ただ、独裁者プーチンは敵だ。それだけが絶対値として変わらない。
今後のウクライナから、仮にネタニヤフやプーチン、ルカシェンコやオルバンのような人物が出てきても驚かない。ゼレンスキー後こそが正念場で、ゼレンスキーが大統領の座に固執すれば、元の木阿弥だ。ウクライナには未だソ連人のような価値観の人物が特に政治・行政の分野には多い。
プーチンと同じで民主主義を不都合なものだと感じる人物が多そうだ。戦争の時には特に民主主義の難しさは明らかだ。現代的な価値観と戦争そのものが合致しない以上、防衛戦争を強いられる社会の中で民主主義が歪まずに維持できるかは分からない。
少なくともウクライナの策動「暗殺と破壊」は、あまりに稚拙で民主主義を理解している者の選択ではない。
私はそれをロシア FSBの仕業だとSNSで宣伝した。それがウクライナ側だと支持されない思ったからだ。
事の真相はうやむやなまま、ロシア批判で西側は一致して、ウクライナは2023年まで防衛戦争を継続できた。
結果的に各国の支援疲れは明白で、コロナによる経済低迷からの連続で市民生活は十分に回復していない。ロシア戦争に続いてイスラエル問題の悪化で、物価高騰は世界中の市民生活に深刻なダメージを与えている。
欧州以外の市民にとってはロシア戦争より、中東のエネルギー問題の方がより深刻かもしれない。特にウクライナを支持してロシア制裁に参加した日本には深刻な問題だ。と同時に中国の経済破綻も恐ろしい。
にもかかわらず、ウクライナは沈黙ではなくイスラエル支持を表明し、米国政府と共に世界からの注目を失った。
私は改めてロシアは敗北すると予言する。西側諸国はロシアの勝利を許さないだろう。それはウクライナだけでなく、ジョージアやモルドバに対しても同様だ。
しかし、ロシアの敗北がウクライナの勝利ではない可能性は高まった。
ウクライナの勝利なんてものは始めからなかったといってもいい。ウクライナの勝利は未来のウクライナ人が決めることで、戦っている今のウクライナ人が得られるものは瓦礫と死だけだろう。それを勝利と呼べるのか、まだ生まれていない未来のウクライナ人に聞くべきだ。
そして来年の気候変動は、今年よりも大きくなるだろう。世界中の農業は破壊的なダメージを受けて物価は更に高騰する。
ロシアや西側だけでなく世界中で戦争継続は不可能になるかもしれない。だから、ロシアに勝利はない。あるのは損失だけ。
仮に飢饉が起きれば、暴力で抑えられてきたロシアや中国では暴動が革命に発展するだろう。
インドも食糧生産の目途が立たなくなれば、暴動がなくても国家は破綻する。
ロシアにもウクライナにも勝利がない結末は現実的にありえるし、私はそうなるだろうと思っている。
戦争を戦争だけで終わらせるのは難しい。大抵は戦争の裏で飢饉や疫病が起きて戦争継続が不可能になって終わるものだ。
日本帝国は原爆二発が落ちなくても負けていた。むしろ原爆二発で本土での絶滅戦争を避けられた。原爆が発明されてなかったら、沖縄戦から九州上陸作戦、ソ連参戦で北海道失陥ぐらいまで進んでいたかもしれない。
ロシア人もウクライナ人も戦い方は知っているが、改竄された歴史しか知らないので戦争の終わりを知らない。
一度あることは二度あっても驚かない。ホロドモールが再び起きるかもしれない。気候変動と戦争による環境ホロドモールもありえるだろう。
そして、今や世界中で起きる可能性がある。
軍事大国が無駄に戦争を長引かせた結果、来年以降は長期的な環境ホロドモールが世界規模で起きるかもしれない。
だから、もうウクライナを支援する必要もない。戦争は環境が停止してくれるまで続き、そこで物理的に終わる。ロシアは敗北し、ウクライナも勝利しない。
イスラエルも孤立化し、圧倒的な気候変動の中で未知の世界を見るだろう。