失念したままのアレ

 生前の父とNHKニュースで秋冬の赤い実が紹介されるのを見て、二人して「あ!」と叫んだ植物。その時に名前が判明した草だったけど、記憶に止められずに忘れてしまいました。
 庭に結構前からあるんだけどなぜそこにあるのかは不明で、赤い実が生るので鳥散布で庭に生えるようになったのだろうと考えている。
 夏は母が無計画に植えた主にショウガだかミョウガだかが生える場所で、今は剪定ゴミの処理に使うために、最近は処理が追いつかず枝葉で埋もれているような場所だ。
 で、冬になると赤い実だけが残っている。このあたりは夏中鬱蒼とした小ジャングルになるので、剪定作業やゴミ処理が終わっている夏は人が入らない。入りたくない。蚊が多い。蜘蛛が多い。羽虫が多い。
 そこへ一年前だったかな? 久しぶりにこの草をみつけて、小躍りして鉢に移植したのです。ただ名前が思い出せない。

 某日「向島百花園」のtweetでユキモチソウが紹介されて、「あ、この仲間だ!」と思い出したようにひらめいた。いや、思い出してはいない・・・
 で、ユキモチソウを検索してテンナンショウ属(Arisaema)ということを知った。もうNHKニュースで紹介された草名は思い出せないけど、ちょうど写真にあるように今が花の時機なので、テンナンショウ(天南星)だと断定していいだろう。ただ、記事を書きながらずっと「なんてんショウ」と間違うので、それで当時に検索できなかった可能性もあるな。
 単純に三裂してる葉だからミツバテンナンショウなのかな。それとも園芸種みたいのがあるのかな? とにかく鳥が運んできたことは間違いないだろう。

 その鉢は最初に母が植えた西洋桜草が消滅して以降、これといった目的のない鉢だった。紆余曲折を経て、生き残っているのはツワブキ。
 その鉢はわりと大きめ(φ400ぐらいかな)の素焼きで置く場所がない。老母に弄らせるとセットになっている金属製の鉢台ごと埋めてしまうので傷んでしまう。そこで、大きくて外見も立派な鉢なので老母を無視してもっとまともな扱いをしようと思ったのです。
 が、植えるのにちょうどよい植物がない。で、暫定的にツワブキを株分けしたものをポット植えのまま鉢に埋め、それ以外の草と混栽にしようと。再度、西洋桜草なども入れたんだけど定着せずに消えてしまい、雑草化したミツバやミズヒキ、シュウカイドウが入ってきたりと混栽鉢ではなく雑草鉢になってしまった。
 結局、何を植えるにしても鉢がでかいので置く場所が無く、日陰になってしまう。いっそのことツワブキをそのまま植えてしまえと、やけになった。庭に三ヶ所もあるツワブキをここに植える必然性は全くないのだけど・・・
 で、「名前を失念したままのアレ」が生き残っていたので、回収してツワブキの脇に植えることになったのです。どちらかというとアレの方が大事なんだけど、アレがわからない。いつか分かる日が来るだろうとあえて調べずに今日に至ったのでした。

 三葉天南星(ミツバテンナンショウ)です。今度こそ記事にして名前を覚えましょう。忘れません。赤い実の草を!!
 実は花は始めて見るんですよね。ずっと庭にあったのに、赤い実は知っていたけど、食虫植物でもないのに奇妙な壷型の花。
 調べてみると食用にした歴史があるようだが、基本的に弱毒性で処理が不十分だと障害があるらしい。赤い実は食用に適さない。球根(球茎)はでんぷん質が多いので様々な処理をして食べられてきたらしいが、生食ではやはり毒性があるという。
 何事も使い方次第で正しい知識で処理をして自己責任でやるしかないということだ。
 一時期、庭でちょっとだけ増えていたらしいのだけど、いろいろと作業する場所でもあるので踏み荒らされて見えなくなった。というか踏み荒らしてきました、私がね。
 で、今はしっかりと保護しています。テンナンショウ、テンナンショウ・・・

 赤い実といえば万年青(オモト)。
 うちにあった万年青の多くは地植えになって元気よく成長している。その一部を小さな鉢植えにしている。
 この万年青も耐陰性が高く、暗く湿気たうちの庭では貴重な植物と見做して地植えにしたのだけど、管理面では近年の気候変動で暑さと乾燥が悩ましい問題になっている。
 植物としてはこの万年青も毒性の高い植物。調べると受粉も特殊でナメクジやカタツムリが媒介するという。ナメクジは相当罠で減らしたし、これもヒートアイランド現象による乾燥で活動範囲を減らしている。
 うちの万年青は他の植物のおまけに添えられた「緑」を集めたものなので、斑入りの万年青のような上品なものではない。斑のようなものが見えたら葉焼けか栄養不足である。老母の管理から自分に移った時点では病気の塊でしかなかった。
 葉がぐねぐね曲がっているのも病気なのかと思ってたけど、いわゆる「波葉」と呼ばれる形状の品種らしい。とにかく元気になっても、しゃきっとピシッとしたまっすぐな葉にはならないらしい。いつかちゃんとした専用鉢みたいのに植えようかな・・・

記事を締め括ろうとしたした某日
 無意識に始めた庭の草むしりで先のテンナンショウとは全く関係のない場所で、テンナンショウらしき草を発見。萎れているが、独特の質感を持つ三つ葉の草。
 改めて鳥による散布でなければ飛べない茂みの中に生えていた。このあたりはドクダミとシャガの茂みだ。山茶花にも近いので鳥がよく来る場所でもある。
 植物は逞しいね。とりあえず日が当たらないほどの茂みの中でこっそり生えていたので、萎れてるけど、これも花を付けるかな?
 葉茎が二本立って花茎一つらしいから、他には葉が見えないので花は無理なのかな。

樹上は春か 初夏か 光るユリノキ
柿の芽 楤の芽 天ぷらに酒など添え

失念したままのアレ” への2件のフィードバック

  1. そういえば去年見つけたオモトの実、鉢に埋めといたけど発芽しないなあ
    まあ、盛夏までは待ってみるけど、雨水でしかうるおってなかったから

    しかしナメクジだのの関与で種ができるとは、知りませんでした
    いつも詳細な情報ありがとう

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