Vol de Nuit

 Vol de nuit とは「星の王子様」で有名なサンテグジュペリの作品の一つ。和訳はそのまま「夜間飛行」。ええ、ここのブログタイトルへの影響は大きいですよ。もっともブログタイトルとしては英単語を並べた「Night Flight Might」が原題で、これは松任谷由実の「Delight Slight Light KISS」の影響を受けています。
 単純な音韻の繰り返しでリズムを生むのがお洒落だなぁと思ったわけですが、ヤフー離脱を考えて新しいタイトルを考えた時、あまりに 「Night Flight Might」 のリズムを気に入っていたので、これ以上のものを考えられなかったのです。
 ヤフーブログ開始当初は書庫「夜の翼」で詩をメインにするつもりだったので、新しいブログでもこの韻を失いたくないなぁと思いつつ、意味を残す方が優先かなぁと思ったりして、フランスへの憧れなんかもあり、フランス単語で転写してみました。

 英語でNight Flightも夜間飛行の意味で、自然とサンテグジュペリに近付いたのです。こうなると「星の王子様」に影響を受けていた自分は、nuit (夜)と vol (飛行)を外せません。発音は「ぬい」「ヴぁ/ぉる」という日本語的には眠そうな響きですが、妥協するしかありません。
 こうなると問題はMightをどう訳すかです。マイトはダイナマイトなどのマイト。名優 小林旭の若かりし頃のキャッチコピーが「マイトガイ(Might Guy)」で、造語ですがこれも同じマイトですね。
 mayの過去形のmightではなく、そこから発展した名詞形mightは「~ができる力、権力、実力、威勢」といった意味で、オールマイティのマイティも同源です。mayもできることを前提にした可能性を表現する助動詞ですから、力を秘めているのです。
 さて、夜に飛べる力というニュアンスをどうフランス単語から持ってくるかですが、中々いいのがありませんでした。force、pouvoir・・・韻もへったくれもないし、語呂が悪い。フランス語を諦めようかなぁと思ったのですが・・・

 詩的に発想を飛躍する。夜、夢の中で空を飛ぶ力はpowerなのか?forceなのか?いやいや、それは意志の力なんじゃないかな?心の力を何というんだろうか?
 こうしてたどり着いた単語が Volonté 英語ではWillだって。日本語訳は意志。発音は「ヴぉろんて」、「ぬい・ヴぁ/ぉる・ヴぉろんて」のリズムはいまいちだけど、見た目のVolVolなんかは面白い。
 強い意志があればこそフランス革命も成せたと思えば、フランス語から「意志」を引き出せたのは、Lady Oscar、オスカル・フランソワの導きとしか思えない。

 このようにして和製フランス語タイトル Nuit Vol Volonté は生まれたのでした。サンテグジュペリ様様!オスカ~ル様様なのです。
 当然、フランス語としては意味を為しません。雰囲気、ニュアンスだけです。単語の羅列が想像させる何かを期待しているので、意味自体はないのです。これは英語タイトル「Night Flight Might」でも同じことですが・・・

 さて、最近は「obscura」という単語もタイトルに入れていますが、これは英語でもフランス語でもありません。ラテン語です。
 ラテン語からの語彙はフランス語には多く、フランス語の「obscur」は「暗い」とか、「曖昧・不明瞭な」といった意味です。
 ラテン語でも「暗い」を意味して、「camera obscura」は暗室の意味で、転じて写真機の原型となる投影装置ピンホールカメラの事らしいです。自分の趣味が写真なので、そういった意味も含めてお気に入りの単語です。
 ですが、実際にオブスキュラ、オブスクラという言葉を知ったのはゲーム「トゥームレイダー」です。PS2ソフト「トゥームレイダー 美しき逃亡者」で重要になってくる「オブスキュラの絵画」というアイテムが切欠で、「なんだろうオブスキュラって?」というところから始まりました。
 ゲームの中では「悪」とか「闇」といった禍々しいイメージのキーワードとして使われたオブスキュラですが、調べてみると前述通りに「暗い」という意味で、カメラの原型である暗室装置につながりました。フランス語やスペイン語などラテン語の語彙を残す言語にもその名残が残っています。
 ドイツにはバンド名としている人達もいるそうですが、私のブログタイトルとしては「曖昧なもの」「分類しづらいもの」「靄っとした感じ」、サブタイトルにある「光と影の交差点」「とりとめなく舞い散る思考屑の集積地」をobscuraで表現したつもりです。要はなんだかわからない単語の羅列です。
 夜間飛行は当然闇の中を飛ぶわけで、天地もわからない闇の中は強い意志がなければ飛び続けられません。お、いい感じに結びついた。着陸成功!!

 というわけで松任谷由実から始まって、サンテグジュペリとオスカルとララが結ばれて、このブログタイトルになりました。
 で、サンテグジュペリへのオマージュで Vol de nuit という名前の香水があるらしく、一度どういうものか知りたいなぁと思ったら、この長文ですよ。
 ちなみにNight Flightという香水もあるらしいです。名前だけでちょっと欲しくなるなぁ・・・
 このまま永遠に書いてしまいそうなので、いい加減この辺で・・・・・

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