EAFF E-1 WFC2022

 今はまだ2022年なんだなぁと改めて気付く。戦争が長すぎてね・・・
 E-1選手権、東アジアの親善試合を常設化した大会。参加国も日中韓以外はその年ごとに異なる。このブログでも2019年12月に記事にしていた。今年は男子が香港、女子は台湾が追加参加している。
 日本男子では主に新しい選手の掘り起こしに使われるたりするが、一応カップ戦形式にしたことで高い意識で臨める調整試合ともいえる。
 試合機会が多い男子と違い、女子大会としては貴重な国際経験の場でもあり、女子A代表にとって大会の役割は重要。
 特に現 池田体制はアジアカップで韓国1-1、中国2-2とことごとく引き分けて消えてしまった。その後の変化、池田体制の方向性を占う意味で見る側にとっても重要。

 というわりに、テレビは点けていたが、自分が落ち着いて見られる時間帯ではなく、大相撲も気になり、集中して見ていない。
 得点シーンも結局後半の日本の勝ち越し点、長野の得点しか見ていない。韓国は改めて、強さを感じないのに堅実なチームであることを示しようだ。長いパスを起点にしながらも、細かいパスもあり、何人かのキープレーヤーには一発のシュート力があって、まぁ侮れない。
 ほとんど集中して見てないので、ネットでスタッツ(statistics)だけ見てみるとパス成功率でも、パス数、シュート数、ボール支配率でも韓国が上回っていたらしい。ただ、枠内シュートは同数だったようだ。
 で、結果は日本 2-1 韓国
 なかなかしんどい試合だったのかな?
 韓国の得点者、10番지소연 池笑然JI So-yunは、日本や欧州での経験もあるベテランで、さすがという感じか。
 チラ見では韓国の惜しいシュートが多過ぎて、なんで日本が勝ったのか分からない。ただ、日本は2得点ともサイドのボールホルダーから、ファーサイドのターゲットへのスペースに放り込むセンターリングで、韓国の守備がパスが出た時点で振り切られているという流れ。これは王道の得点パターンと言えるけど、これに反応してくるのがワールドカップの強豪だと思うと、「まぁアジアだからな・・・」と冷めて見てしまう。

 しかし、長野は初得点だったのか。MFの得点は前監督時代は少なかったが、これはいい兆候だろう。MFの得点が増えて、初めてFWに余裕が出てくる。これはワールドカップを意識した時にいい兆候!

雪辱のなでしこ二丁 韓国の堅陣崩す溌溂ぶりよ

EAFF E-1FC2019 なでしこ 韓国に勝つ

 なでしこがE-1最終戦で韓国に勝利し優勝を決めた。男子も韓国戦に勝てばアベック優勝となる。そういえば、アベックって最近は使われないね・・・・・

 真綿で首を絞められているような、見ているのが苦しくなる試合だったが、内容的にもなかなか引き締まった面白い試合だった。
 韓国女子もアジア屈指の良いチームだが、得点へのビジョンが見えてこないチームで、良い試合はできるが得点そのものは少ないチームだ。体格的に大きい中国女子のフィジカルの強さとは違い、当たりが強い。中国男子の飛踢至鵬ほどではないが、危険ぎりぎりで競り合う様は五輪に向けて試合の少ない日本にとって貴重な本気勝負になったはずだ。
 岩淵、長谷川が負傷欠場と報じられたが、もしかしたら危険回避という側面もあったかもしれない。E-1はそこまで重要な大会とはいえない。あくまで出場機会、代表定着を求める当落線上の選手にとってのアピールの場。選手層を厚くするという性格が強い。

 DFで言えば三宅。一度代表に定着したかに思えたが、いまいちぱっとせず、判断の甘さか視野の狭さか不安定感が拭えないまま、WCでは主戦から外れていた。反対にレギュラー化したのは南で、本職DFとして最も安定したプレーを見せてきた。
 この日の三宅はかなり見違えた感じ。視野も広く見えている感じがした。南とのコンビネーションも良く、韓国の速い攻撃にも冷静に体を入れて防ぎ、体を投げ出した「後の次」にも意識をつないでいるような、繊細さを垣間見せていた。
 宮川はサイドを変えて右SBで出場。激しい当たりへの弱さがあるのではないか・・・と勝手な杞憂があったが、この試合では運動量で広い範囲をカバーしていた。一方で攻撃ではあまり効果的な参加はできなかった。清水だったら、ロングクロスがあったかもなぁと思っちゃったな。

 逆の左SBは再び遠藤純。中島と遠藤が同じサイドにいるので、攻撃面での何かしらを期待したけど、相乗効果はなかった。左SB限定で考えるなら中島の方がロングフィードを期待できたかもしれない。中島も遠藤も能力が高く器用なだけに便利に使われるが、基本は右に中島、左に遠藤でゴールに近い位置でカットインというのが一番なんだろう。ま、万が一の時に他のポジションを経験しとけってことなのかな・・・

 今回はFWというか攻撃陣の方が抱える問題が深刻なんだと知れた。やはり田中美南を活かせない。代表で田中を使うならワントップがいいのかもしれないね。国内リーグと違って、前を向くことすらほとんどできず、そもそもチャンスも少なかった。球の供給が少なすぎた。田中任せで無茶振りで単純に放り込んでくれれば、何かが起きたかもしれない。
 籾木も中島も杉田も三浦も、遠藤も宮川も、誰も田中や池尻目掛けて放り込んでくれなかった。
 惜しいチャンスはあったにはあったが、そもそも惜しくないチャンスが全く作れなかった。ミドルシュートも無いので韓国DFを釣り出す事もできず、ただただ3、4人に囲まれて潰れる田中を見殺してしまった。
 シュートはゴールを狙っているという最も強いメッセージだ。「猪が出たら危険だぞ」というのと同じ。「ゴールを狙われている危険だぞ」というメッセージを相手に届ける最もわかりやすい方法だ。
 ドリブル突破も強いメッセージ性があるが、岩渕、長谷川がいなくなるとそのメッセージは消える。
 遠藤が左サイドを切り裂いてくれたら、中島が右サイドを切り裂いてくれたらと妄想しても、今日はそこにいなかった。
 今日の布陣は、あまりいいセカンドプランではなかった。韓国が人数をかけて中央を閉めているので籾木も何もできなかった。彼女は無理なシュートを撃たない性格らしく、全く怖さがない。シュートを撃たないとわかっている選手は怖くない。
 結果的に田中、池尻だけがマークされ、田中にスペースを作る動きもないので、杉田、三浦が雪崩れ込む隙間も無かった。

 あ、これってWCのアルゼンチン戦だね。アルゼンチンは韓国よりも徹底して中央を飽和封鎖してたな。守備のスタイルはアルゼンチンを見ているようだった。韓国は大きく成長したなぁと思う。あとは得点のビジョンだけだね。

 というわけで、日本は現代強豪チームがよくよく陥るショートパス病に罹ってしまい、得点の苦しみを味わうことになった。
 結局、小林、上野が出てきて少し強引にシュートを撃ち始めてやっと攻撃の形が生まれた。籾木のPKも中央で強引にシュートを撃ったことでハンドを誘ったわけで、シュートは枠にさえ収まっていれば、直接入らなくても得点を生むという典型例だった。

 最近の なでしことしては、久しぶりにシュートの少ない試合だった。中島さんは左だと全然シュートが撃てなくなる。やはり右がいいね。
 遠藤純も前線近くでドリブルさせた方が活きる。
 籾木はシュートを撃たないからダメだな。あのWC オランダ戦途中出場で一人狂ったように撃ちまくった籾木は何処に行ったんだ・・・・・
 そうして皆がシュートなりをもっと撃っていれば、前線には田中が詰めているんだから、可能性はあっただろうなぁ・・・・・

 結果的に三宅・南・山下が守っただけの試合だった。田中美南がフィットしないというだけの試合で終わってしまったな。
 勝ったんだけど、シュートらしいシュートが撃てない韓国相手に、アルゼンチン戦を再現してしまいそうだったよ・・・・・

赤い壁 火計をもって攻め立てよ 火矢のかわりにシュートを放ち
得点のコースは目に映らない 見えるコースは敵にも見える
なでしこの咲けぬ苦悶や 霜きらり