栄枯盛衰2020

 蜂罠。今年はこれまでにスズメバチがかからない。というか飛んでいるのも見ない。どうやら近辺のスズメバチは根絶されたのかもしれない。きっと各家庭に巣を作った分は業者だとかが、飛来してくるものも各ご家庭の蜂罠でしとめられたのかもしれない。
 数年ぶりに見たのはアシナガバチ。広義のスズメバチの仲間だが、性格は全く大人しい。アナフィラキシーでもなければ、危険性は格段に低い。
 ミツバチもアシナガバチと同じくらい久しぶりに見た。ミツバチもアシナガバチもうちのユーフォルビアに足しげく通っていたが、そろそろ花も終わる。受粉されたので子房が成長し始めた。
 ミツバチはバラでもツツジでもなんでも花が咲いていれば中に入ろうとするが、うちの花は今ミツバとバラぐらいで、インターミッション。これから咲こうとしているのはアマリリス。ホタルブクロや美容柳、クレマチスも花芽が見えるようになったが、6月かもね。

 ツツジの剪定を始めたけど、暑さと突風で思うように進まない。仕方がないので先に庭隅の石楠花の整枝を行った。狭い庭で小さく低く制限を受ける石楠花。同じツツジ科でも見栄えが違うもんだね。
 ツツジの挿し木は成功率が高いけど、石楠花は挿し木したことないなぁと思ってやってみた。今年は不意に枯れた木が多い年だったので、石楠花も念のため。
 石楠花はあまり盆栽というのを聞かない。検索するとあるんだけどね。強剪定に向かないのかもね。挿し木が成功するようなら、ちょっと弄ってみようかな。挿し木は実験のためにある! 盆栽向きの品種があるのかもね。
 ひょろっとした石楠花と密に茂るツツジ。ツツジも古くなると枯れるらしいけどな。サツキは実際に枯れちゃったし。そういえば鉢植えのカルミアも枯れたなぁ。枯れる時は枯れるもんだね。
 いま思うとカルミアこそ庭木に適当な低木だと思うけど、うちの親はカルミアを鉢にして、石楠花を直植えにしてんだなぁ。剪定する人の手間を考えずに・・・
 植物公園のでかい石楠花を見ると庭においそれと植える木ではないと思う。馬鹿広い庭ならまだしもね・・・

 謎プランターの細葉の謎植物。葉縁が波打つようなフレア状の細葉だったが、しわが伸びて丸葉になった。見た感じはミズヒキみたいにも見えるけど、ミズヒキの若葉って細葉だったかな?
 ミズヒキもいつだったか秋にしごいて持って帰った地元野川の草だ。知人から頂いた姫キンミズヒキに一目惚れしたわたしは、ミズヒキと並べたくなって、わざわざ近所の川の雑草を持って帰ってきたのだ。まぁ増える増える。キンミズヒキも増えたけど、ミズヒキの増え方はまさに雑草。
 安易に「水引」つながりで並べたけど、キンミズヒキは腐ってもバラ科の草なのに対して、ミズヒキはタデ科。全然違う系統の植物なのに、名前だけ近縁という不思議な関係。
 日陰に強い赤い花のミズヒキ、日向が大好きな黄色い花のキンミズヒキ。共通点はどちらも生薬として止血効果があるとされること。気になる人は調べてみてください。
 ミズヒキが増えた結果として、色んな鉢に入り込んで謎鉢が増えた。茂らせてしまうとわりと背が高くなるので他の草を圧倒してしまう。でも積極的に日向に出てこようとはしないし、地下茎もないので処理は楽。ドクダミの増える場所とミズヒキが落ち着く場所が似ているので、日向に出たドクダミは除草剤で、日陰のドクダミはミズヒキとの競争という感じで、わりと使い勝手のいい草でもある。

 近年はヒートアイランド現象で本当に土が乾いている。日陰の草にとって湿り気こそが生命線なので、地面の露出を抑えるのは重要になる。
 最近、「クロイワザサ」という植物に似た感じの地を這う笹葉状の草が庭に出てきている。クロイワザサは海浜植物らしいので、うちにあるのは違うんだろうけど、熱帯化しているといえばそうかもしれない。なんにしてもこの多分イネ科の這う笹状草に興味津々である。庭の乾燥を止める救世主かもしれない。
 でも、ついつい雑草だと思って無意識に抜いてしまう。抜いた後に「あ、とっておいた草だったのに・・・」と後悔する。3月ぐらいに無意識に抜いて減らしてしまったが、再びこそこそ増え始めている。

 スズメバチが増えた結果、駆除が進んだ。蜂罠を自作する人も増えて、スズメバチの生きにくい町になった。
 ミツバチはファンタグレープの罠に反応しない。同じスズメバチ科でブドウ科植物を好むアシナガバチさえかからない。かかったのは蛾と小さな羽虫ばかり。
 雨の日の庭で結婚飛行をしていた羽虫が光って見えた。きっと柿や梅を食害する目に見えない極小の羽虫、アブラムシ類の成虫だろう。このために蜘蛛を大事にしているが、雨の日に飛ぶ様はなかなかキラキラしていて、悔しいがそれはそれで自粛の賜物みたいで得した気分だった。
 するとどこから来たのかテントウムシが増え始める。並みだよ。うちは貧乏なんで並みです。
 面白いものでスズメバチは見ないが蛾や羽虫といった害虫が蜂罠にかかったりする。クロウリハムシもたまにかかる。庭木の数だけ虫は増える。人が花を増やすごとに、その花に虫が来る。
 ウリ科のゴーヤばかり育てているのでウリハムシが増えたし、キュウリの苗を買った時はヘリカメムシが大量発生したこともある。
 普段うちにいないニジュウヤホシテントウも、ナス科のアマトウガラシを育てていた時は来ていた。
 食害対象作物以外には付かないので、畑ではない場合は捕殺するとかが一番確実だけど、害虫は基本水死させてきたから、地獄に落ちたら水責めだろうなぁと腹を括っている。
 今年はビールを使ったナメクジ罠も仕掛けたので、まぁ水死というかビール死したナメクジの怨念で、水責めビール責め地獄だな。ビールは好きじゃないから嫌だな・・・
 とりあえずコロナもそういう感じで関連付けていくと、なんとなく愛しいというか、敵らしい敵があまりいなくなった人間にとって、人の行動こそが最大の敵であるという感じが、ありはありかなぁと思ったりする。

 中国共産党を駆除しないと本当に人類は愚かさで滅びる気がするよ。やっぱり隠蔽・改竄・弾圧は、虫やウイルス以上に人類の敵。
 中国共産党と朝鮮労働党、安倍晋三、トランプ、プーチン、サウード王家はできるだけ早急に「対処」すべきだと思う。
 世界は常に謎があるけど、その謎こそが恣意による支配の源泉だからね。ある意味で利権。だから、結局対処できないまま、ずるずると歴史は繰り返されるんだろうね。

三密の鬱蒼の奥 知らぬ夏
緩みとは堀の梅見と淀の風 徳欠けたれば川も制せじ

庭の剪定 六月頃

 ツツジの花が大体終わったので剪定をした。かなり大きな木になってきたので剪定ゴミも増える。
 うちは庭のサイズに対してツツジの比率が多い家だったと思う。父が生前に建て替えた時にかなり減ったが、記憶ではツツジ、サツキで四種10ヶ所に植わっていたはずだ。今に残っているのは一種4ヶ所だけになってしまった。
 大紫と白、ピンクにサツキとあったが、最後のサツキも近年に枯れてしまい、白とピンクは建て替え以前に消えていた。
 広い庭ならいざ知らず、庭サイズにして不相応なツツジの数だったと認識したのは大人になってからだ。
 その理由はヤフーブログ時代にも書いたが、おそらく亡父が九州出身なので原風景としてツツジがあり、自然とツツジの多い庭になっていったのではないかと推測している。単純に挿し木が根付きやすいのもあるんだろうが。
 今は直植えの大紫が4ヶ所にあるだけで、他にその挿し木苗をなんとなくいくつか育てている。本当は白やピンクが欲しい。街路樹を数センチ拝借してしまおうといつも思うが、なんとなくしないできている。定家葛は失敬したけど。

 で、NHK趣味の園芸でツツジの江戸仕立てというのを見たので、今年の剪定は一味違うぞと、藪化したツツジを大剪定することにした、のだが・・・
 うちのツツジは要注意雑草ヤブガラシの苗床ともなっていてなんとしても奥に分け入り、蟲の発生源かもしれない密集地帯を制さなければならなかった。
 もしかしたら信長・秀吉の対本願寺・雑賀衆戦争はこんな気分だったのではないかと思いを馳せる。うちでも鬱蒼とした古株ツツジ地帯は管理しきれないでいたのだ。

 そうこうしている間に美容楊が咲き始め、六月ですよと報せてくれた。ツツジ剪定待ったなしと腹を括ったつもりだが、蚊が集るわ、蜂が飛ぶわ、蝿が抜けるわ、蝶が舞うわでもう嫌になった。
 隣家にはツツジがないらしく、うちのツツジが伸びているのを喜んでくれたりしていたが、その分を残すとしても、それ以外は江戸仕立ての名の下にさっぱり払ってしまいたい。と思うは思うのだけど、虫嫌いでなくてもこれだけ虫が集れば、鬱陶しいちゅうねん!
 で、とりあえず除草剤を吹きつけ、下草を減らすことで虫の量を減らそうと除草剤を撒くことにした。ヤブガラシ、ドクダミを中心にシダ類とか・・・柄にもなくなのか、本性なのか、雑草どもの惨殺を楽しんでいる自分がいる・・・

 確か沖縄のどっかのハウス栽培で蜂ではなく蝿を受粉に使うとテレビで見た記憶がある。それ以来蝿を忌み嫌うのをやめた。コバエを愛することはできないが、必要以上に毛嫌いしないように・・・とか思ってきたけど、これだけ鬱蒼として、何が痒いのかわからないのに痒い気がしてくると、もう剪定なんてやってられん。虫も草もいやだ、いやだ、いやだ!!
 というわけで2ヶ所のツツジを剪定予定だった。一つは丸坊主に近いほどに主幹だけを残した江戸仕立てもどきにできたが、一つは除草剤の効果待ち。剪定さえ始められていない。
「名前のわからない草は雑草でも残しておく主義」を放棄して、雑草惨殺に嬉々としていたのは、猟奇スイッチが入ったからのようだ。ささやかな猟奇。人の差別感情の端緒は常にこういったささやかな興奮に隠されているのだ。

 六月は美容柳が報せたり はなやぎの黄はなぐさめの色
 葉の上にあげはのみどりごかまへたり 舞ふをながめて羽を知るらむ
 草を刈り枝を払えば蚊も叩く 全ては業と説く仏陀の知