AUNZ2023 フリーランナーvsドンピシャ

AUNZ WWC2023 Japan×Norway
KOステージ Best16 日本 VS ノルウェー

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□□□□①□□□□
②□⑫□④□➂□⑬
□⑮□⑭□➉□➆□
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□□□□④□□□□
□⑫□□□□□③□
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□□□□⑭□□□□
□□⑮□□□➆□□
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GK
①山下杏也加(神戸/WE)

DF
②清水 梨紗(ウエストハム/UK)
⑫高橋 はな(レッズ/WE)
➃熊谷 紗希(ローマ/ITA)
③南 萌華(ローマ/ITA)

MF
⑮藤野あおば(ベレーザ/WE)
⑭長谷川 唯(Mシティ/UK)
➉長野 風花(リバプール/UK)
⑦宮澤ひなた(仙台/WE)

FW
⑪田中 美南(神戸/WE)

⑨植木 理子(ベレーザ/WE)

 KOステージ、日本の初戦はグループA 2位のノルウェー。ノルウェー女子代表の愛称はGresshoppene(グレーショペーナ)、英語ならグラスホッパー、バッタの女性名詞化したもの。何でかはしらないけど。
 なでしこを食うバッタ・・・縁起がよくない相手だね。
 グループA 1位通過のスイスとは 0-0ドロー。北欧は長身というイメージだが、スイスと比べると低い印象だった。それでも日本より高い。とりわけCBとCFは高く感じる。基本戦術としては4123の欧州スタンダード、個人技だけなら日本が高そうに思えるが、一歩の歩幅だけで抜かれてしまうのが怖い。強い印象はないが堅実でシンプル。守備の集中力は攻撃時のそれよりも魂が篭っていて驚異的。攻撃はクロスからの高さ勝負が基本で日本にとっては脅威。何よりニュージーランドの気候は北欧人を活性化させているように思うのだが・・・

 ノルウェーは日本×スペインを研究した結果か、541で下がり目の守備からスタート。これは細かいパスをつなぐスペインに対して日本が取った戦術だ。しかし、ちょっと違うのは日本のようなプレス&帰陣という細やかさはなかったかもしれない。その分を体格で補っている印象。
 結果、その体格が失点を生む。
 15分、左サイド 南から宮澤、宮澤は逆サイドで走り出した藤野をターゲットに速いクロスを上げると、ノルウェー7番が長い足でカットするもこれがOGとなり、日本先制に成功。暫定得点王宮澤を警戒しすぎたのかな???
 しかし20分、10番Caroline Graham Hansen の個人技を止められずスルーパスで右サイド 7番Ingrid Syrstad Engen が突破、マイナスクロスが上がると11番Guro Reiten がドンピシャヘッド。熊谷競るもドンピシャは止められないさ・・・
 その後は日本の左サイドとノルウェーの右サイドで13番対決や、7番対決が繰り返された。日本は意図的に清水・藤田のサイドをターゲットにして遠藤・宮澤サイドから攻撃を組み立てた。
 前半半ばは激しい接触プレーでノルウェーのファールが増える時間帯となったが、43分の長谷川から遠藤への展開など日本がノルウェーを度々脅かした。

 後半、選手交代はなかったが日本もノルウェーも戦術的な変更があったようで、特に日本はFWによるDFへのチェイス&プレスを積極的に行うようになり、本来のなでしこの前掛りの守備に転じた。
 ノルウェーは中盤を省略して、DFが持ち上がって前線にロングパスを積極的に出すようになり、ハットトリッカー22番Sophie Román Haug を狙う意図を鮮明した。
 後半開始早々49分、早速宮澤が抜け出てチャンスを作る。
 立て続けの50分、ライン際の遠藤は左サイドに流れてきた藤野を囮に、中の宮澤へパス、ゴール前に入ってきた長谷川につなぐがキープしきれず、バックパスはノルウェー8番へ。8番はDFへのバックパスを選択するがこれは清水への絶好のアシストになり、日本勝ち越しの2点目。
 ノルウェーは守備のミスで2点を献上してしまった。
 日本の前掛りのチェイス&プレスで、攻撃の起点を作れないノルウェー。
 72分、田中美南に替わって植木理子が入ると、早速植木-宮澤でチャンスを作る。
 ノルウェーも選手交代でリフレッシュすると、ノルウェーの猛攻タイムに入る。77分、10番のドリブルから9番のシュートは枠の外。78分も10番のドリブルから、中央18番シュートはキーパー正面。
 81分、守備から清水のフィードは藤野へ、ドリブルでコースを探す藤野は右に流れる植木を囮に中央を走る宮澤へスルーパス、宮澤は自分で持ち込み得点王争い独走の5得点目、日本は3-1で試合を決めた。
 アディショナルタイム、再び10番が遠藤サイドを突破してクロスが上がると22番が頭で折り返し、後から入ってきた9番がヘディングシュート! このピンチもGK山下が左手一本で叩き落とした。VARもノーゴールを確認してくれた。
 ノルウェーは日本を意識した専用布陣541で守備をしたが、普段の4123と微妙に役割が変わり、後半も最終盤まで本領を発揮できなかったのかもしれない。

 押しも押されぬ優勝候補であることを示した日本の次戦は8/11 16:30 スウェーデン×アメリカの勝者と戦う。私の予想はスウェーデン。ノルウェーよりも高く、技術も高い。世界ランクではアメリカ1位、スウェーデン3位だが、現時点でのポテンシャルはスウェーデンの方が上だと思う。
 でも日本としてはアメリカの方がやりやすいだろうな。どっちがきても日本は優勝候補。得点とアシストの暫定一位もいるし。武器の多い日本女子に唯一足りなかった才能ある監督がいる今は優勝まっしぐらさ!!


冬のニュージーランド遠い高みも届く島 (AUNZ2023 WWC)

AUNZ2023 得点王はここにいる!?

AUNZ WWC2023 Japan×Spain
グループC 第三戦 日本 VS スペイン

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②□⑫□④□➂□⑬
□⑦□⑯□➉□➇□
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□□□□①□□□□
□□□□④□□□□
□□⑫□□□③□□
□□□□⑯□□□□
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□□□□□➇□
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GK
①山下杏也加(神戸/WE)
DF
②清水 梨紗(ウエストハム/UK)
⑫高橋 はな(レッズ/WE)
➃熊谷 紗希(ローマ/ITA)
③南 萌華(ローマ/ITA)
⑲守屋 都弥(神戸/WE)
MF
⑬遠藤 純(エンジェルシティ/US)
⑦宮澤ひなた(仙台/WE)
⑯林 穂之香(ウエストハム/UK)
➉長野 風花(リバプール/UK)
⑧猶本 光(レッズ/WE)

⑮藤野あおば(ベレーザ/WE)
⑭長谷川 唯(Mシティ/UK)
➅杉田 妃和(トランド・ソーンズ/US)

FW
⑨植木 理子(ベレーザ/WE)
⑪田中 美南(神戸/WE)

 お互いに2連勝で迎えたスペイン戦。KOステージ進出は両者とも決めていたが、日本は対スペイン専用の丁寧な対応を最後まで崩さなかったし、スペインは崩せなかった。
 日本は植木をワントップにした541の綺麗な守備ラインで引き気味に試合を開始したが、その内実は超攻撃的な守備でスペインが前にパスを出すと連動したプレスがかかり、パスを下げると追わずに陣形を維持をした。
 スペインはパスをつなぐスペースもドリブルのコースも見出せなかった。18番Paralluelo 6番Bonmatíを使って、再三日本の遠藤サイドを攻略しようとしていたが一対一でも遠藤は互角以上のデュエルを披露。一対三でも奪われない場面さえあった。
 それに対してスペインは終始ファウルで日本を止める場面が多く、これはこの試合のイニシアチブが日本にあることを示すものだった。
 日本の先制点は13分、熊谷のフィードは遠藤へ、遠藤のスルーパスに植木と外から宮澤が駆け込み、宮澤が決める。
 再びスペインの攻撃が続くが、日本は陣形維持と一斉プレスを繰り返し耐え続けた。
 29分、南のクリアボールを植木がヘッドで落とし長野から宮澤へ、宮澤のドリブルから植木につなぐと、植木が一人かわして日本2点目。
 再びスペインの攻撃が続くが、揺るがない日本の守備。
 40分、長野→林→植木と繋がり、植木は中央をドリブル、外から追い越す宮澤へパスが出ると宮澤がそのまま決めて、日本は前半3得点で折り返した。

 後半になって細かいパスで日本を崩すというプランを放棄したスペイン。ロングパスを織り交ぜるスペインのシュート数、GK山下の仕事が増え始めるが、精度の低いプレーと小さなファウルの多さで流れを掴めないスペイン。
 スペインからファウルをもらい続けた長野や植木の献身で、スペインはギクシャクとしたまま日本攻略の糸口を掴めず時間だけが過ぎていった。
 82分、交代組が仕事をする。守屋のスローインはスペイン選手を嘲うように田中の前へ、田中はそのままドリブルで持ち込みゴール左隅へ綺麗な放物線を描いた。
 日本4得点の完勝。スペインは最後まで打開策を見出せず完敗。
 退いて守る風でありながら、推して奪う日本の狩猟には熊谷の細かい指示が飛び交っていた。守備ではなく狩猟。日本はスペインを見事に狩った。

 グループC 1位通過の日本の次戦は8/5 17:00 ノルウェー。日本は既に優勝候補。宮澤ひなたは得点数トップ、田中美南はアシスト数トップ。そして例によって日本はファウル数が少ない。
 面白くなってきたぞ!!

Japan 4-0 Spain

汗とばし攻守の波打ち際よ (AUNZ2023 WWC)